大阪湾・忘れられる魚たち(2)-ベラ
市場で見つけた鮮度のよいアオベラ
ベラは淡路島や神戸で好まれる魚で、メスには9本の縦じまがあるので九線(キュウセン)とも呼びます。
ベラには性転換するという特徴があります。小さく赤っぽい色で黒い縦じまが走るのがメス、成長して緑色に変化し、黒い筋が走るのがオスです。
関東方面では「こんな熱帯魚のような魚、どうして食べるの?」と気味悪がられたり、まずいと思い込まれていたりで人気がありません。しかし、実際に食べてみるとあっさりして淡白な白身魚なのです。旬は晩春から夏場で神戸や大阪の市場で見かけます。
淡路島ではベラ釣りも盛んです。口がとがり餌をすばやくとるベラは、餌のゴカイや青イソメをくわえたところをすかさずシャクリ、針にかけるのがテクニックです。「ベラの早掛け」といいます。
20センチくらいはある大きなものはお造りで食べるのがおすすめです。身が生きたベラには透明感があり、甘みがあってしょう油に身をつけるとサッと脂が広がります。このような白身魚がおいしいのです。
ほかにおすすめは焼魚です。新しいものは塩焼きもよいのですが、素焼きにして二杯酢やしょうがじょう油で食べるのもオツなものです。煮付けにも向きます。から揚げにしたものを旬のタマネギと漬け込む南蛮漬けもおすすめです。
大阪湾をはじめ瀬戸内海にはさまざまな滋味豊かな小魚が暮らしています。食材として本当においしいのは、ベラをはじめヒイラギ、トラギス、メッキ、ガッチョ、キス、ウオゼなどの小魚だと思うのですが、骨があるとか、食べるのが面倒ということで顧みられることが少なくなっています。海ではベラが好むよい砂場が減ったことで資源が減少しています。一時だけ出回る旬の小魚の魅力、人々に広く伝わってほしいものです。(太田雅士)
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