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更新日:2022年4月1日

<2022年度要員確保問題・第3回交渉>
コロナ禍が浮き彫りにした圧倒的な要員不足
「人員マネジメント推進の考え方は破綻」 見直し強く求める

 市職本部闘争委員会は3月28日、市側稲垣人事室長以下と団体交渉に臨み、2022年度要員確保に関する申し入れへの「回答」を引き出しました。

 冒頭で市職本部は、21年度の要員配置問題として新型コロナウイルス感染症への対応に言及。過労死ラインを越える超過勤務や休日出勤が常態化する市保健所などに対して幾度も業務体制強化が実施されてきたが、兼務発令や応援派遣に伴う欠員によって経常業務に支障をきたす兼務・派遣元職場が多数生じている現状を問題視しました。

 そのうえで回答各項目に対して認識を示し、必要な対応を改めて求めてきました。

 若年層の採用者数確保については21年度に引き続き採用予定数が拡大されたが、技術職や専門職の一部で採用数の確保が難しくなっている状況を指摘。技術の継承と実務経験が重要な業務であることからも、養成の観点を含めた計画的で現場意見を十分にふまえた配置を行うよう求めました。

 定年年齢が段階的に引き上げられる23年度から当面の間は原則的に2年に一度、退職者が生じないが、職員年齢構成の歪みや技術の継承が不可欠な部門への影響などを考慮し安定的なサービス提供体制を保つための計画的な採用者確保を求めました。

 大規模災害発生時においては、派遣を行う部署の通常業務に大きな支障があることから十分な情報提供と丁寧な現場対応を求めるとともに、冒頭に指摘した新型コロナウイルス感染症への対応に伴う「兼務発令」や「応援派遣」なども勤務労働条件の変更であり、兼務元の支部所属間で十分な交渉・協議が行われるよう求めました。

 事業担当主事の退職に伴って生じている不補充についても、新年度の業務執行体制において欠員を生じさせないよう求めた。人事室は影響を及ぼすことがないよう関係所属と連携を図ると応じました。

 最後に、この間の感染症対策や近年の災害対応において要員不足が明らかとなっているにもかかわらず、「市政改革プラン3・0」に固執する市側姿勢を非難。非常時が現実となった今、「改革プラン」に基づく人員マネジメント推進の考え方は破綻しているとして、抜本的な見直しを強く求めた。そのうえで、新年度の業務執行体制が「超過勤務の増大や年次有給休暇の未取得日数の増加など、労働環境の悪化の上に成り立つものではなく、各現場の状況を真摯に見つめ、本来あるべき業務量の積算などを行ったうえで、適正な労働条件のもとに築かれなければならない」として、交渉を終了しました。

令和4年度要員確保に関する申し入れについて(回答)

1.令和4年度の事務事業執行体制については、真に必要な市民サービスの低下を来たすことなく、また、行政責任を果たしつつ、職員の勤務労働条件を確保したうえで、業務内容・業務量に見合った体制となるよう人員マネジメントを行っていく。
 なお、検証等にかかる情報提供については、地方公務員法や大阪市労使関係に関する条例の趣旨を踏まえながら丁寧に対応してまいりたい。

2.超過勤務の縮減に向けては、引き続き、時間外労働の上限に関する規制の趣旨も踏まえ、業務内容・業務量に見合った体制となるよう人員マネジメントを行うとともに、安易な兼務によることなく事務処理方法の改善等による業務効率化の促進により対応していく。

3.定年年齢の引き上げによる影響も含めて、職員の採用については、職員の年齢構成等も考慮しながら、引き続き検討してまいりたい。

4.法令などにより要員の基準が定められている業務への対応については、業務実態を精査しつつ、関係所属と協議しながら、引き続き検討し対処したい。

5.免許職員等の専門職員については、業務執行に支障を来さないよう関係所属との協議内容を踏まえ、配置してまいりたい。

6.現在運用している任期付職員制度は、引き続き運用していくこととし、業務執行体制については、関係所属と協議しながら、検討し対処していく。
 なお、生活保護業務にかかる任期付職員制度の任用については、平成30年度末に策定した充足率向上計画に沿って、引き続き関係所属と協議しながら、検討し対処していく。

7.国からは会計年度任用職員の職は、常時勤務を要する職とは異なる職として設定することとされているところである。常時勤務を要する職については適正な要員配置に努めてまいりたい。

8.新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、令和4年度に向けては、昨年度に引き続きコロナ禍における雇用不安に対応するため、職員の採用拡大を行ったところであり、感染症等にかかる行政対応については、関係所属と連携の上、引き続き適切に対応してまいりたい。
 また、今後予想される大規模災害については、平成30年度に発生した災害時の対応状況も踏まえて、所管局において、各所属と十分な連携を図り初動体制の確保等を含めた検討が行われており、その状況については、引き続き注視してまいりたい。
 さらに、被災自治体への支援については、現在職員派遣を行っているものについては令和3年度末で終了することとなるが、今後新たに支援が必要な事態が生じた場合等には、関係機関とも連携し、職員派遣に当たっては、関係所属と十分協議しつつ対処していく。
 なお、勤務労働条件に変更が生じる場合は、交渉事項として誠意をもって対応していく。

9.「行政サービスへの最先端のICTの活用」「経営形態の変更」「事業の統合」等に伴う職員の身分に関する事項などの勤務労働条件については、交渉事項として各所属において適切に対応していく。