更新日:2008年7月16日
連載:数える労働安全衛生
86.6万人
請負労働者の安全衛生が大事
一つの事業場で働いている労働者は、みんな同じ会社の社員とは限らない。A社の工場だけれども、溶接はB社、組み立て作業はC社、塗装はD社が担当しているなんていうのはありふれた話だ。
それぞれ働いているのは別の会社の労働者なので、もしB社で重症災害が起き、日を置かずしてC社で死亡災害が起きたとしても、この工場の主であるA社(の社員)は無災害だったということになる。まさかこの工場の看板に「無災害○○日達成」などと書くわけにはいかないが、法律上会社に直接の責任がある労働災害はゼロだということになる。
厚生労働省の統計によると、このような製造業の請負事業に働く労働者の数は約86万6千人いるという。
この実態に対し法律の規制は、遅ればせながら罰則付きの義務規定を一昨年になって付け加えた。製造業の元方事業者は、請負の事業者と安全衛生について連絡調整を行う義務があるという条文だ。何を今さらという内容だが、それまでは建設業と造船業以外では義務ではなかった。
ただ、実態はもっと進んでいる。統計の86万人という数字は、いわゆる構内下請で、そのかなりの割合が実質派遣労働者に近い人の数であり、実際の数はさらに多い。また、請負は製造業に限った話ではない。サービス、運輸、医療…。今やあらゆる業種で請負は普通になっている。さらに有効な対策が必要だ。
連合大阪労働安全 衛生センター 参与 西野方庸






